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●藤田コーディネーター

 

山出市長、ご覧いただいたのは大型連休期間中ということでした。さらにこれを拡大するような検討等とありましたが、どうでしょう、これをウィークデーの通勤時間帯になさるようなお考えはありますか。

 

●山出先生

 

とりあえず観光シーズンに成功しましたので、これを通勤時に使うことはできないだろうかと思い、いろいろ実験も重ねてきました。今年の11月にパイロットシステムとして実施をしたいと思っています。

 

●藤田コーディネーター

 

その成果等に注目して行きたいと思います。國友さん、奈良市の学園駅前の成功した鍵、背景はどのようにご覧になっていますか。

 

●國友先生

 

私どもは、チューリッヒと同様に朝の通勤時間帯にバスから降りて電車に乗り換えられる方のアンケートをとりました。その前に大阪地方陸上交通審議会から将来的には抜本的道路改革が必要であるが、現状ではとりあえずマイカーを規制すべきではないかという答申がでた58年3月のことです。
道路管理者や県警本部等にお願いをして、このアンケートは県警本部がとり、その時に賛成が58%、反対が36%、その他が若干ありましたが、先程のチューリッヒは、51〜52%の賛成率とのことで、奈良の学園前の方が高かったということに少し自信を持っておる次第です。
県警の方でもこれは是非行おうではないかということになり、その年の11月から翌年の3月くらいまでに12連合自治会で説明会が行われました。我々事業者もその手伝いをしました。昭和59年4月9日から1週間、月曜日から土曜日ですが、試行してみようということで、行ってみると、バスの遅れも全くなく乗客も22%増えました。勿論警察にも立っていただいたのでマイカーの進入は殆どありませんでした。本格規制に入ったらどうかというご意見もいただきました。そして昭和59年12月に朝の1時間と短くはなりましたが、コンセンサスを得て昭和60年3月25日、答申を頂いたのが昭和58年3月であるから丁度2年間かかり、周到な準備と手順を踏んだ結果これが実現できました。それが本年で11年余りになっています。これを実行していなかったら、今は学園前周辺も大変な大混乱で私どものバスは全く機能していない状態になっただろうと思っています。
したがって、勿論行政当局、利用者、バス事業者としては先程申しましたゴムの思想によるサービス改善を行いました。マイカーよりは若干劣っても、マイカーに近いサービスを提供しようという意気込みでこれに取り組んだ訳です。そういう三位一体の理解が得られたので本格実施ができたと思っています。
本年4月に兵庫県の川西市が従来片側1車線の道路1本しかないところで大きな団地開発がなされ、非常に人口が増えたために県道は慢性的な交通渋滞になったそうです。定時ダイヤでは28

 

 

 

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